SEMINARセミナー・イベント

EVENT REPORT

2020.06.29

CCI Evening LIVE!New Normalがもたらすメディアの「未来」
第1回:STAY HOMEによってデジタルメディアはどう変わったのか?

2020年6月2日、New normalがもたらすメディアの「未来」をテーマにオンラインセミナーを開催しました。
第1回目となる今回は、STAY HOMEでデジタルコンテンツはどう変わったのか?について、株式会社AbemaTV(以下、AbemaTV)広告本部 本部長の山田 陸氏とTikTok Ads Japan(以下、TikTok Ads) Creative Strategy Directorの廣谷 亮氏にご登壇頂き、パネルディスカッション形式でお話を伺いました。モデレーターはCCI メディア・グロース・ディビジョン ディビジョン・マネージャーの岸岡が務めさせて頂きました。

CCI岸岡:まずは、直近のメディアの状況について皆様の方からアップデートをお願いします。

AbemaTV山田氏:家にいる時間が増えたことで、ABEMA全体の視聴数がこれまで以上に伸びました。STAY HOME前の2月と比べてWAU(ウィークリーアクティブユーザー)が最大で150%ぐらいに増加しています。また、その中で特徴的なのは、男性のユーザー数がかなり伸びた点です。ニュースで、毎日のように緊急会見等があったため、それがフックになり、ドラマやアニメ、オリジナルコンテンツを見ていただく機会ができたのではないかと思います。

CCI岸岡:なるほど、特に3月30日の週からユーザーが急増したそうですが、これは・・?

AbemaTV山田氏:この週は、ちょうどニュースチャンネルで緊急事態宣言に関連する緊急会見があったことに加え、ABEMAで人気の恋愛リアリティーショー「オオカミちゃんには騙されない」や、今シーズンのドラマの最終回があったことなど、複数の要因が重なってすごく伸びました。

CCI岸岡:どうしても、ABEMAさんというと、特定のユーザー層がアツいイメージがあるのですが、定量的に見ると、年代毎にユーザーのグロースが進んでいて状況が変わってきている印象を持っています。

AbemaTV山田氏:そうですね、若年層にリーチできるメディアが限られる中で、ABEMAのユーザーはティーンをはじめとした若年層が今も多いですし、そのイメージを持っている方も多いと思います。でも実際は20~30代のユーザーが増えてきたというのが特徴的です。

CCI岸岡:では続いて、TikTok Adsの廣谷さん、情報アップデートお願い致します。

TikTok Ads 廣谷氏:ユーザー数ではなく再生数、エンゲージメント数がどのように伸びたのかという観点からご説明させて頂きます。大きく、再生数が1月~5月で約2倍伸びました。それと同時に、エンゲージメント(Like、Comment)や特にShareが伸びています。Shareとして使えるプラットフォーム、動画コンテンツなのかなと思います。

CCI岸岡:Shareという部分で言うと、最近、TikTokをInstagramのストーリーでシェアしている人がめちゃ増えていますね。

TikTok Ads 廣谷氏:ありがたいことに、TikTok内だけじゃなくて、やはりそれを誰かに見せたい、または見てほしいというユーザーがすごく多いです。また、1回あたりの平均視聴時間が1時間の大台を突破したんですね。去年の7月頃に42分だった数字が、年明けに52分まで上がり、一気に5月に65分まで来ているという状況です。

CCI岸岡:1時間ってすごいですね。

TikTok Ads廣谷氏:最初42分でもすごく長いなぁという印象でしたが、実際に僕が見ていると、結局、一回見始めてしまうと抜けられないというのを気づいたのです。
ユーザー数とエンゲージメントの比重ですが、エンゲージメントとか、視聴時間の方がユーザーの数より伸びているのです。ユーザーももちろんすごく伸びているのですが、エンゲージメントや視聴時間も伸びており、やはり熱量なのかなという風に感じています。

CCI岸岡:なるほど!TikTokで言うと、恐らく先ほど言った「シェアされる」というのも、今まではなんとなく使ってみたいけど、時間がなくて使いきれていなかった人たちというのが、このタイミングで時間ができたし、ちょっと使ってみようというユーザーが増えたんだろうと思います。
お二人のお話を聞いていると、ABEMAも、TikTokも、この環境の中でも、順調にユーザーグロースしていたということがわかりました。特に、それぞれの環境の中で、今までとは違うユーザーの獲得があったことや、コアのファンの熱量が上がって来るというところに関しては、すごく面白い話だという風に思っています。

CCI岸岡:それでは次のディスカッションに移りますが、コンテンツとユーザーどのように変化してきたのか?ということをお二人にお聞きしたいと思います。

TikTok Ads 廣谷氏:ユーザーの変化ということですが、先ほど申し上げた熱が高まっていくという背景で、TikTokに何を求めて人々が集まって来てくれているのか、ということを色々考えていました。
皆さん、緊急事態時に色んなストレスがあったと思いますが、いかがでしょうか?

CCI岸岡:色々やばかったですね!事情は様々すぎて一言では言い切れないですが!

AbemaTV山田氏:長期間リモートワークという初めての経験だったので、今までとは違う情報の共有や、打ち合わせの頻度、進め方など、慣れるまで最初は試行錯誤の連続でした。

TikTok Ads廣谷氏:そうですね。今日は多くの方々に来て頂いていますが、
僕の場合、テレビを見ても3密の話ばかりとか、家から出られない、On/Offの切り替えができない、パートナーや子供に激詰めされたり逃げ場がないなど、そんなことが皆さんの中にもあったのではないかなと思います。
では、ストレスが本当に凄まじいという時に、TikTokにどういう気持ちで遊びに来てくれているのかなということですが、我々は、完全にユーザーファーストでストレスフリーな視聴環境を意識しているのですが、例えば、検索しなくても好きな動画がどんどん流れ込んでくるとか、視聴強制していない広告でさえもスキップできることです。「スキップして良いよ」と言って意外とスキップされない(例えば、親に「勉強しなさい」と言われると勉強したくない、「勉強しなくて良いよ」と言われると逆にしてしまう)というような現象があると思います。VICEという雑誌の調査によると、この緊急事態宣言の時期に、どのようなコンテンツが必要なのか?という所で、「最新のニュース」や「日々の知識や学び」を差し置いて、「ユーモア」が一番必要だと言っているデータがあり、そこはすごく分かるなぁと感じました。どうですか?

CCI岸岡:僕は、TikTokで言うと、癒しを求めていたので、ユーモアというか、猫の動画ばっかり集めてしまいますね。

TikTok Ads廣谷氏:そういうユーモアが大事だということで、TikTokもハッシュタグに変化がありました。
この左の「2月」が前、「3月」が後です。例えば「おすすめのりたい」や、「鬼滅の刃」、「バレンタイン」の時期でした。3月以降に、例えば学校がない時の「TikTok教室」や、「おすすめの過ごし方」、「癒しの瞬間」などが上がり、皆さん癒しを求めているじゃないかなと思います。

CCI岸岡:では、続きまして、ABEMAのコンテンツとユーザーの状況について、山田さんからお願いします。

AbemaTV山田氏:この時期のコンテンツについては、3密を避けなければならず、さらに自粛要請があり、番組制作自体が一時的に止まってしまっていました。とはいっても、そんな環境の中でもできることがないかを考え、4月から自宅で楽しめるコンテンツを制作陣が企画し、実際にいろいろな番組をやってみました。

AbemaTV山田氏:例えば「家-1グランプリ2020〜お笑い自宅芸No.1決定戦〜」では、人気お笑い芸人の方々が、家の中でできる芸を披露し、一番面白い人は誰かを競う生放送番組を企画しました。あとは、5月に開催予定だった「メトロック」のイベントがなくなってしまったので、その代わりに自宅でも楽しめるオンラインのフェスを実施しました。スケジュール調整が難しい大物アーティストの方々も、今の期間は家にいらっしゃったこともあり快く協力していただき、大変多くのファンの方々が視聴してくださいました。これまでABEMAで放送した音楽番組の中で最も話題になった番組の一つになったのではないかと思います。
また、「GWおうちでアベマLDH祭り」では、EXILEさんをはじめとしたLDH所属のエンタテインメントグループの方々が出演するバラエティ番組や、メディア初披露の特別ライブ映像などを放送しました。

CCI岸岡:特に「家-1グランプリ2020〜お笑い自宅芸No.1決定戦〜」なんかは、工夫次第ではリアルにやるより面白い形になったりするから良いですよね。

AbemaTV山田氏:ネットの反響を見ていても、STAY HOMEという状況の中で、視聴者の皆さんもすごく楽しんでいただけたのではないかなと感じましたね。

CCI岸岡:生感があるというか、今までとは違う見方ができて、僕もそれを見ていて楽しいなと思いました。ユーザーの変化については、何かありましたか?

AbemaTV山田氏:ABEMAは通常時、スマホからだけでなくテレビデバイスからもよく視聴されているのですが、STAY HOMEの時期には特にそれが飛躍的に伸びたのが印象的でした。

CCI岸岡:テレビというのは、スマートテレビからの視聴も伸びたということですか?

AbemaTV山田氏:そうですね、スマートテレビもそうですが、Fire TV Stickなどを使ってABEMAを視聴することができます。ニュースをはじめ、ドラマやバラエティなど視聴時間が長いコンテンツも多くあるので、家にいる時にはスマホで見るよりテレビで見た方が便利なのだと思います。そのあたりの変化がすごく顕著に出た期間だと感じました。

AbemaTV山田氏:また、今はエンタメ産業にとってはかなり厳しい状況だと思っています。芸能事務所をはじめとした多くの企業が、リアルなイベントを自粛しなくてはいけない中で、どうやってビジネスを展開していくかということに悩んでいらっしゃいます。ABEMAとしてできることは、プラットフォームを提供し、オンラインのライブや舞台など、リアルと同じような臨場感や、リアルとはまた違う楽しみ方ができるような企画を展開していくことで、ファンのみなさんをはじめ事務所や関係者の方々にとってもwin-winになれるんじゃないかと考えています。そのような背景があり、サイバーエージェントでは今回、エンタメ産業のデジタルシフトを支援する、株式会社OENという新会社を立ち上げました。

CCI岸岡:サイバーエージェントグループは凄いスピード感で事業を立ち上げるなということに対して尊敬するのと同時に、こういうエンタメ業界の再活性化はすごく重要なことだなと思います。ライブハウスの問題ももちろんあるのですが、やはりカルチャーを生み出しているアーティストの人たちが、これからどのように世の中に出ていくのかという所で、色々な模索が必要だと思うのです。それには、やはり場が必要なので、そこはプラットフォームを持っているABEMAがこういう取り組みをすると、社会貢献という面では素晴らしいと思います。

AbemaTV山田氏:OENで企画したライブやイベントも、今月から数多く出てくるので、ぜひご覧ください。

CCI岸岡:なるほど、楽しみにしています。
次は、今のユーザー、コンテンツの状況なども踏まえて、今後どのような広告展開を考えていくかというのも、非常に重要なテーマだと思っています。我々もそうですし、ABEMAさんも、TikTokさんも、広告をベースにしながら事業を立ち上げられていますので、そのあたりについてお話を伺いたいなと思います。
こちらについては、山田さんの方から、今後どのような広告を考えていくかを伺いたい思います。

AbemaTV山田氏:まず、STAY HOMEによって、メディアの広告商品が大きく変わるかというと、そんなに簡単には変えられないと思います。ただ、クリエイティブや、表現の仕方については変えていかなければいけないとは考えています。
例えば、企業の新商品のプロモーションを行う際には、これまでは商品の特徴や強みなどをターゲットに伝えるために、どういう表現をすればより効果的に伝わるのかというのを、広告主の意見を取り入れながら制作することも当然多かったのですが、今回のようなコロナ禍の状況では、派手な広告や自己主張の強い広告よりは、ようやく再開したスポーツやアーティストのイベントを応援するなど、今の時流に合わせたストーリー設計をした企画・クリエイティブ制作が大事になってくると思います。

CCI岸岡:広告に社会性が必要という話は、色んなところで議論されていたことだと思います。ちょっと話がずれますが、リモートワークも以前からやった方が良いという話の中で、今回のような社会背景の中で強制的にそこに移行して、今色んな課題が出てきたという状況だと思います。広告も恐らく一緒で、社会性のある広告の方が絶対良いことはみんなわかっていたけれど、そこに行く前に色々なハードルがあったものが、今この状況下で強制的にそちらに移行しているという点では、少し似ているところがあるような気がします。
では、同じテーマで、廣谷さんお話頂けますでしょうか。

TikTok Ads 廣谷氏:今山田さんのおっしゃったことは本当に同意です。
広告の枠組みとして大きく変わるというのはないと思いますが、中身がどういう風に変わっていくのか見えてきている部分もあるかなと思っています。
広告とユーザー(消費者、生活者)との関係でもしかしたら変わるべき所がこれまで変わらずにきたのかなという風に感じます。例えば意識の変化のデータですが、「企業がいかに市民生活に寄り添ってくれているか」という視点について、もう6割ぐらいの人がブランドに求めているらしいです。恐らく今後この傾向は高まってくるのではないかと考えています。

やはり、ブランドの言いたいことを言っているだけだとユーザーとの関係性が結びにくい中で、ではどういうことができるのかなと考えた時に、例えば今「New Normal」と言われる時に「広告でも新しい習慣を作れる」という話は、我々の中では挙がっています。
 ユーザーとしても、特に若い子たちは、自分も一緒に楽しみたいという気持ちがありますね。見るだけじゃなくて、一緒に喋ったり、語ったり、という。今までの「見て楽しい広告」から「参加して楽しい広告」、さらに「誰かと話したくなっちゃう広告」になってきています。僕も広告出身の人間なのですが、昔の広告は、見たら「わぁ、すごい!憧れる」という状況だったのが、また2周3周して改めてエンタメになってくる時代じゃないのかなという風に感じています。
「素晴らしい広告」は、誰かと語りたいし、参加したくなったりする物なので、一方通行じゃなくて、みんなの生活や気持ちに寄り添ったり、この緊急事態の在宅時に寄り添ったメッセージで一緒に広告を作ることで、ブランドとユーザーの間に広告が入って橋渡しになれば良いんじゃないかなと思います。そうすると、我々ももっともっと仕事が楽しくなるし、TikTokとしてもそういう所をプッシュして、お手伝いしていけるような媒体になっていきたいと考えています。

CCI岸岡:お二人のお話に共通しているのは、先ほどの「社会性」ということだと思いますが、TikTokさんのお話を聞いていてすごく思うのが、良いコンテンツ、良い広告であれば、みんな同じように見てくれるし、触ってくれるということです。そこに対して、コンテンツや広告の垣根ってあまりないよね、という話なのかなと思います。これはまさに僕らもずっと思っていたところですが、なかなか実践することが難しかったりすると思います。ただやはり、チャレンジしていかなければいけないと改めて思いました。

CCI岸岡:最後に一言ずつお願いします。

AbemaTV山田氏: ABEMAは、「テレビの再発明」「マスメディアになる」という目標を掲げており、ユーザー数も伸びてきて、少しずつその状態に近づいてきていると思うのですが、広告に関しては、今までの広告が、ちょっとずつ変化しているというのを肌で感じています。その中で、広告がユーザーにとって「邪魔なもの」になってしまっているメディアやプラットフォームが、すごく多いとも感じています。
ABEMAは強制視聴ではない広告フォーマットを取り入れていますが、ユーザーにとって価値ある情報を提供することが、広告としてあるべき姿だと思っているので、今後は、コンテンツと視聴者のマッチング精度を高めていきながら、フォーマットをもっと改善して、CM本来の状態(テレビCMを見た時に、視聴者の記憶・印象に残る状態)を、ABEMAで作っていけるように取り組んでいきたいと思います。

CCI岸岡:100%同意ですね。この状況だから、メディアにはできることがあると思うので、そこは僕たちもお手伝いしていきたいと思っています。

TikTok Ads 廣谷:やはり今はユーザーが強い時代ですよね。僕が広告代理店に入社した2000年代頃はまだ「テレビ、テレビ」で、「デジタルをそろそろ見なきゃね」という頃で、そのうちだんだんインフルエンサーが力を増していき、今はインフルエンサーとその奥にいるユーザーがみんなインフルエンスを持つ時代になってきています。だったら、力点を置く場所をユーザーに置かないと、時代にマッチしないということが当たり前になっています。ユーザーをどんどん理解して、ユーザーの求めているものに寄り添った上でブランドを展開していくということがこれからの鉄則になってくると思います。そういう時に、ABEMAや我々のような新しいプラットフォームがいかにその変革を加えていけるのか、いかにより楽しい場所にしていくのか。何よりもやはり代理店さん、クライアントさんを含めて、一緒にABEMA やTikTokで広告をプランニングすること、ユーザーに届けることを楽しく企画し考えていけるような場所を作っていけるようになりたいなと思っています。一緒になんかやりましょう!

CCI岸岡:ありがとうございました。我々はメディアグロースパートナーという形で、メディアを通じて社会に貢献していくことを目指し、日々活動中でございます。今は苦しい環境であるというのは事実ですが、その中でも、新しいことをどんどん企画していく必要があります。もしお二人のお時間が許すであれば、第2回目を開かせて頂いて、もうちょっと具体的に「このような結果が出たね」というのを話していけたら良いなと思います。

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